睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome , SAS)は、睡眠中に断続的に無呼吸を繰り返し、その結果日中傾眠などの種々の症状を呈する疾患の総称です。
2003年2月に山陽新幹線の運転士居眠り問題で注目されるようになった疾患です。
この疾患は全人口の約2%、240万人がいるとされ、そのうち約60万人が要治療患者数と推定されています。
この疾患は日中の傾眠だけでなく、知性の変化、性格の変化、起床時の頭痛、幻覚呼吸困難、不眠症、インポテンツ、高血圧、心疾患、不整脈、脳卒中、浮腫、肺高血圧、多血症、肥満、糖尿病、などと関連があるとされています。
2009年1月に高血圧治療ガイドラインの改訂がありました。このなかで、高血圧コントロールが難しい人のなかにSASが含まれているとされています。降圧剤治療だけでは血圧コントロールは困難で、積極的なSASに対する治療が必要になります。
これらの症状や疾患と関係がある方はぜひ一度検査をおすすめします。
眠気テスト(ESS)
昼間の眠気の評価にはEpworthの眠気テスト(ESS)というものがあります。
合計10点以下は正常ですが、あなたは何点になりますか?
状況 | 点数 |
---|---|
1.座って読書しているとき | 0 1 2 3 |
2.テレビを見ているとき | 0 1 2 3 |
3.公の場所で座って何もしないとき(たとえば劇場や会議) | 0 1 2 3 |
4.1時間続けて車に乗せてもらっているとき | 0 1 2 3 |
5.状況が許せば、午後横になって休息するとき | 0 1 2 3 |
6.座って誰かと話をしているとき | 0 1 2 3 |
7.昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っているとき | 0 1 2 3 |
8.車中で、交通渋滞で2~3分止まっているとき | 0 1 2 3 |
0・・・眠くならない
1・・・まれに眠くなる
2・・・しばしば眠くなる
3・・・よく眠くなる。
検査について
検査には、以下のものがあります。1,2は検査機を自宅に持ち帰り行います。
3は入院が必要です。まずは、病状にもよりますが、1,2を行い、これにより確定診断がつけば、治療方針を決定します。軽度から中等度の場合は入院して3の検査が必要になります。
- 終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定(終夜パルスオキシメトリー)
- 携帯用終夜睡眠ポリグラフィー(簡易型アプノモニター)
- ポリソムノグラフィー(PSG)
治療について
治療には、以下のものがあります。
まずは、生活習慣の改善です。
- 肥満は悪影響です。減量しましよう。
- お酒の飲みすぎは注意です。無呼吸を悪化させます。
- 睡眠薬や安定剤などは無呼吸を促進させます。
- たばこもいけません。禁煙しましょう。
その他、積極的治療には
- CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸法)
- マウスピース(歯科的治療)
- 外科的手術(扁桃、アデノイド切除など)
詳しくは、ご相談を。